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Thirsty Thirty

生活、ときどきオタク

『ドリフェスの強みとは何か』という話

先週、コミケでのドリフェスの分類が『ゲーム(恋愛)』と設定されて「恋…愛…?」とTLがザワザワしていました。そりゃそうだよなこのゲーム恋愛のれの字も出てこないもんなと思わず納得してしまったんですけどアレなんだね、コミケの分類上はソシャゲとかゲーム機とか関係なく『男性アイドルものはここに分類されるよ』って明記してあるんだね。知らなかったので勉強になりました。

そんな流れでぼんやり考えていたんですが、じゃあ『ドリフェスの競合相手』って誰なんだろうかな、と。恋愛は無いから乙女ゲーではない?じゃあアイドルもの?もしくはグループがわちゃわちゃしてるのが好きっていう視点なら実在のアイドル?と色々考えて頭の中でまとまらなくなってきたのでビジネスでよく使う3Cフレームに当てはめて考えてみました。相変わらずどうでもいいことに時間を費やすのが大好きです。ところで3Cフレームって何だとお思いの方もいらっしゃると思うのですが、『自社の戦略を定義・策定する際に考慮すべきもの』くらいの知識だけ頭に入れてもらえれば分かりいいかと思います。私もあんまり細かいことまでは分かってないので大丈夫です。

1つ目のC:Customer(=顧客)…これに関してはいろいろと設定できるんですよね。アプリで言うと母数が大きい順に『スマホユーザーである』>『音ゲーに興味がある』>『アイドルに興味がある』というところがまず考えられるし、あとはこのPRJに照らし合わせて言えば『若手俳優に興味がある』という層もあるかと。それにDCDを考慮すると『筐体でゲームをすることに抵抗がない、好き』という層も。実際アニメが始まってからはアイカツやプリパラ勢の方が観ていたり、DCDをプレイしに行ったりしていたのも目にしたのでその辺りも割と多かったんじゃないかなと思います。そしてDFの現場に来ている人を見ていると圧倒的に女性が多いなーと思うんですけど、それは全然想定内だったと思います。というかめちゃくちゃターゲットど真ん中。笑 実際にPRJが始まった段階で出た日経MJで、こんな紹介をされていました。

キャストには20歳前後の若手俳優5人を器用、うち1人は芸能経験さえ素人。アニメのキャラと3次元のキャストそれぞれが成長する様子を通じて女子の「母性本能」をくすぐる。(日経MJ 2015/11)

思った以上に細かくターゲティングされていて笑いました。なるほど我々は母性本能をくすぐられていたのか……納得しかない…。それはともかくとしてもうちょっと細かく見ていくとしたら、『既に他のアイドルゲームをプレイしていて、そういうのに抵抗がない』というところが最終的に一番取り合うパイが大きいゾーンかなと思います。ただ実際にファンミとかイベントに参加しているファンの方を見ていると『俳優入り』の人と『ゲーム入り』の人で二分されるんだろうなーと思うけれども。とはいえ初期の頃は8割方前者っぽい人が多かったのが、この間のファンミでは半々くらいになったなーと思ったりもしましたが実際どうなんだろうな。

2つ目のC: Competitor(=競合相手)…これは言わずもがなで、まずは『他のアイドルゲーム』。あとは『乙女ゲーム』『音ゲー』『実際の3次元アイドル』ってところが挙げられるなと思っています。これ色々複雑な感じするんだけど、他のアイドルゲームって多くが恋愛ゲームでもあるので、「アイドル育成には興味あるけどアイドルとの恋愛には興味ない」って人にはDFって合うんだろうな。自分が割とそういうタイプだったんですよね、直近ジャンルは乙女ゲームなんですけどその前はWJにいて「乙女ゲーとか(笑)」って言っちゃうような。ただ元々ジャニオタだったのでアイドルは好き、っていうものすごくピンポイントで狭いニッチなところを的確に狙われた気がします。笑 けどなんだかんだ言って結局は『他のアイドルゲーム』が一番の競合なんじゃないかなあ、いろんなジャンルがある中でどれだけアイドルに親和性をその人が持ってるかっていうのが結局はゲームをプレイするかどうかの決め手になるんじゃなかろうか。

あとはやっぱり『実際に存在するアイドル・俳優』ってところも大きいんじゃないかなとは思います。ただ、じゃあなんで敢えてドリフェスを?ってなるとやっぱり『いい意味でのリアル感の無さ』を求めてるところはあるんじゃないかな、と。48Gが出てきて以降、あるいは某グループの解散騒動以降、『アイドル像』ってガラッと大きく変わったなあと私は思っていて、今までだったら想像すらしえなかったことが次々と起こっているじゃないですか。総選挙とか、アイドルをランキングするなんて絶対に考えられなかったなーと。人気順はあるとしても、それは暗黙の了解みたいなところもあったし。だから、そういう『想像すらできないようなことが起きない』という安心感みたいなものもあるのかな?と思っています。リアルショーではないからこその、ある種予定調和を求めている層からしてみれば余計な心配や不安なく見ていられるなあ、と。

3つ目のC:Company(=自社)…つまり、DFが2つ目で設定したCompetitorに対して優位性を持っている点はどこか?というところです。これはまず言わずもがな『プレイヤーとの恋愛色がない』という点。パッと思いついた『アイドル+恋愛要素アリのゲーム』で考えると、プレイヤーの立ち位置って大体こうなってるんですよね。<アイ★チュウ…プロデューサー あんスタ…プロデューサー科の学生 アイナナ…マネージャー A3!…劇団主宰兼総監督 ときレス…レストラン経営(部外者) B-Project…A&R Mマス…プロデューサー うたプリ…作曲家>※私調べなので間違ってたらこっそり教えてください つまり、『ユーザー=ヒロイン』で『ヒロイン=関係者』であることがほとんどなんですよね。調べてみてビックリしたんだけど『ヒロイン=アイドル』ってゲームはないんだな…あったらそれなりに面白そうなんだけどな、『パパラッチを回避せよ!ミッション』とか。すみません話がずれました。唯一ヒロインが関係者じゃないのはときレスだけってのも興味深くて、あのジャンルはあのジャンルで一国ができてるなっていうイメージがあります(元々のコナミからのファンが付いてたってのもあるとは思うけど)。それ以外はほとんどが関係者で、アイドルをプロデュースor面倒を見ることによって親密度を深める→恋に発展する、というところが定石なんでしょうか。ここまで書いててなんだけどあんスタって恋愛要素アリなの…?(調べてもよく分からなかった)

対してドリフェスはと言えば『ユーザー=ファン』で固定されていて、素っぽい部分は見られるけどそれもこれもすべて『番組の中で見せる顔』ってところが一番にして最大の違いだと思います。あ、アプリの話ね。いつきが方向音痴とかチヅのボケとか、そういうのも全部『裏側』だけどあくまでも『テレビ用の裏側』としてしか設定されていなくて、それすらも『外向けの顔』かもしれないってところは何かこう、すごく安心して見られるなあとアプリ始めた時に思ったことを思い出しました。あの…某ゲームで『スキャンダルが発覚してアイドルが謹慎処分になる』っていう鬱ルートを経験したものですから…ということを鬱々しながら思い出していたら、ふと原田さんのこのツイートを思い出しました。

 

『ローコンテキスト』であるということは『開示されている情報がほぼ一律である』とイコールだと個人的には思っています。発せられた言葉が持っている意味以外の意味や含みはない、ということかな、と認識していて、だから変な伏線があったりとか『あの時言ってたあれって実はこういうことだったんだ』みたいなことがない。(Twitterとアニメがリンクすることは結構あるけども)さらに、『スパイキー(=とんがった)なエッセンスは含まれていない』。それって、テレビや雑誌と同様「見たままを純粋に楽しめる」ってことなんだろうな、と。 ストーリー性が無いじゃん、と言われてしまえばそれまでだけど、ストーリーが深まれば深まるほど新しく入ってこようとする人にはハードルが高くなって追いつけなくなってしまうし、どうしたって『最初から知ってる人との知識量』に引け目を感じてしまう。反して、DFはアプリ上で『一貫したストーリー』が展開されていないからいつ入っても、どういうきっかけで入っても比較的取っ付きやすい。けれど、個人のエピソードやそれぞれの番組を見れば好きなものとか考えとかが分かっていく。それって本当に『実在のアイドルを応援する』こととイコールなんだなあとつくづく思います。

ところでその『ユーザー=ファン』ってところについては、リリースの時に原田さんがこんなことを言ってたんですよ。

疑似恋愛ではなく、 『応援』にのめり込む作品にした(日経MJ 2015/11)

これが載っていた記事を今あらためて読んで、最初のコンセプトから既に『応援』という方向に舵を取っているのであればユーザーを関係者にする必要は全く無いもんな、と妙に納得しました。関係者に設定してしまうと何かしらの『裏側』がないとその意味がなくなってしまうもんな、と。そういう点では確かに今まで無かった設定だなあとつくづく思います。普通に実在しているアイドルを応援している人からすれば『なんで2次元のアイドルをただ応援しないといけないの?』と言われてしまえばそれまでかもしれないけど、ほら…2次元の子たちはスキャンダルでいきなり解雇されたりしないしさ…。

そしてもう1つの強みは『実際にユニットが活動している』という点、しかも『このPRJを中心に動いている』という点かなと思います。いやもうこれ本当にめちゃくちゃアドバンテージでしょ…と思っていた時に思い出したのがこのインタビューでした。

www.hmv.co.jp

原田 メンバーは、アミューズさん主催のオーディションで選出しました。“いっしょに応援したくなる若手”という意味では申し分ないかな、と。
猿舘 『ドリフェス!』では、キャラクターの歌が出るというレベルではなく、彼らが本当に実在していて、キャラクターが完全連動するところまで持っていきたいのです。それを人気声優さんでやろうとすると、歌って踊れる方が限られますし、いざ応援するときに、すでに人気のある方を応援する気持ちになるかと言われると、必ずしもそうではない。いちばんは“応援”というキーワードですね。そのためには、彼らでなければいけなかったのです。

お二方がこのインタビューで言っている通りで、ディアドリって今は特に『ディアドリのために動いている』っていうことがすごく多いんですよね、別の記事でもちょこっと書きましたが。それでいて、彼ら5人は芸歴がめちゃくちゃあるわけでも他に似たような仕事をしたことがあるわけでもない。このPRJが設定している『一緒に作り上げていく』という要素を構成するためには、過去の経験を持っていると逆にマイナスになってしまっていたんだろうなあ、と思います。『経験がない』ことは『これから新しいことをどんどん経験していく』こととイコールで、私たちはそれを『一緒に経験できる応援者』という立場なんだなあ。それは、ユーザーを『ファン』と設定したからこそ味わえる楽しみなんだろうなあ、と気付くとすごくワクワクしますね。

あとは、『ゲームから派生してのイベント』ってところで言うとディアドリが全員同じ事務所であるっていうこともかなり大きいような気がします。例えばこの間のファンミ02も、もしディアドリが全員バラバラの事務所だったりとか他の仕事を入れていたりとかしていたら追加公演はできてなかったのかもしれない。もし他の仕事を同じくらいの分量でやっていたら、例えばアプリのイベント限定ボイスはあんなに頻繁にないかもしれないし、あんなにハイペースで新曲は出てなかったかもしれない。各ゲームとも色んな戦略はあると思うけれど、『ディアドリとクロフネ』っていうひとまとまりがドリフェスというPRJを優先しながら動いていて、他の仕事とのバランスを見ながら動けるっていうことは、そう考えると実はめちゃくちゃ大きいんじゃないでしょうか。もちろん他の仕事もしてほしいとかいろんな意見はあるだろうけどね。

ドリフェスいいだろ!と行燈記事を書くつもりは別に全然なくて、色々思うところもあるんですけど(ドリカ発売中止の件とか噴水広場のこととか)それでも今のところ嫌いになる決定打って本当にビックリするほどないし、無条件で友達に勧めたくなる。そしてゲームやってて今のところはしんどくない。かつ、3次元の彼らがとても楽しみながらPRJに携わってくれている。本当に、こういうことを全部総合してみると『ドリフェスに触れないのはもったいない』という結論になるんですよね…ほんと、日々進化していくし、毎日新しい驚きがあるからこそ触れないコンテンツがあるのはもったいない。少しでも興味があるなら今すぐにアプリを始めるかアニメを見るかしてほしいわーーと切に願う今日この頃です。