Thirsty Thirty

生活、ときどきオタク

初舞台、初日、の話

かおるくんの初舞台『片想い』の初日に行ってきました。元々はあまり積極的に行こうとはしていなかったのですが、ちょうど今シフト制のような仕事をしていて平日に休みを取りやすい環境だったのと、TLで見た『初舞台の初日はその人の俳優人生で1回しかない』という言葉に背中を押されてチケットを取って行ってきました。

結論から言うと、観終わった後に『よかった』という気持ちでいっぱいになりました。そこにはいろんな感情が含まれていて、一番に思ったのは『無事に終わってよかった』ということ。前の日の生放送、しかもかなり遅い時間のそれや、前週の上海で喉の調子がよくなかったこと、その前の週のおれサマーなどもあってかなりタイトなスケジュールの中での稽古だったこと、心配だった要素は数えれば枚挙にいとまがなかった。何よりも、それが彼の『初舞台』であるにも関わらず発表もかなり近々で、十分過ぎると言うには足りないだろうというのが外から見ていても分かるような稽古の時間だったことがあって、本当に大丈夫だろうか、という心配がずっと付きまとっていました。

けれど初日のあの舞台に立っていた彼はやはりというか意外にもというか、ビビる様子もなく、周りの先輩方に臆する様子もなく、2時間のお芝居を終えて、凛と胸を張ってカーテンコールに立っていました。いつもより低い声の出し方、普段だったら絶対しないような動作、喜怒哀楽の『怒』や『哀』。『千弦』でも『かおるくん』でもない、その役を全うして、生きようとしている姿がありました。始まって1時間も立ってないのに、汗が光ってるのが見えるくらいに必死で、舞台の端から端まで走ったり、誰かにしがみついたり、舞台に這いつくばったり、客席に背中を向けて顔が見えない状態でお芝居したり。わたしがこれまで見てきた姿はほんの一部でしかなかったんだな、新しい一面が彼にはあったんだな、というのがものすごい風力で感じられました。

彼の演じていた役は、台詞がとても多い!とか、鍵になる役!とかでは正直ないと思います。けれど、彼がいることで物語が少し動きます。とある登場人物が、少しずつだけど変わるきっかけになります。そのエピソードがあることで、彼自身もどんな人なのか、どうしてそういう振る舞いをしたのかが明らかになります。その後に、彼の振る舞いも少しだけ変わります。贔屓目はたくさん入っているでしょうし、甘い見方をしているとも思いますが、それでもあの役を彼が演じられたのはとても嬉しかったし、初めて舞台を踏む彼の役があの役で本当に良かったと思います。

そして、『彼がこの舞台に出られて本当によかった』とも思いました。近しい年代の子が適度にいて孤立することもなく、ベテランの先輩方も多くいて学ぶことも多く、そして何より樫田さんの演出で初舞台を踏めたのは幸せな、恵まれていることなんだろうなあと。わたしあたっくで岡森さん(あたっくでは兵糧長、片想いでは園長)の演技を初めて見てから本当にすばらしい役者さんだなあ、とすっかりファンになってしまったのですが、まさきくん然りかおるくん然り、そんな偉大な先輩と一緒の板の上で対等にお芝居をできることはとても幸せなことなんだろうなと思うのです。何より、舞台上にいらっしゃる年長組の方の佇まいや立ち居振る舞いがすごい。IZAMさんも津田さんも、背中と芝居でいろんなものを、いろんなことを教えてくれる方なんだろうなと思いました。一緒に演技をしていく中で学ぶことが本当にたくさんあって、ピリッとする瞬間もふわっとそれが瓦解する瞬間もきっとたくさんあって、その毎日が刺激になっていたんだろうな、と。

もし彼が『役者』という道を選んでいなかったらこの舞台に立つことも無かっただろうし、その道を選んだとしても、もし少しでもどこかでタイミングがずれていたら、わたし自身もこんな風に『誰かの初舞台の初日』を見ることは無かっただろうと思います。決して大きすぎない劇場のカーテンコール、適度に近い席で見上げた彼の表情は本当に晴れ晴れとしていました。ある種、孤独な戦いだったんじゃないかなと思います。DearDream以外の初めての外仕事、周りの4人は『先輩』であること、実際のカンパニーは大先輩が多いことに加えて、DDとしてのスケジュールもびっしり埋まっていて余裕を持ったスケジューリングはきっとできていなかっただろうこと。いつもきらきらしている彼のTwitterが、稽古終盤になるにつれてどことなく余裕がないというか、少し落ち着いたテンションになったのも、何となくの心情の変化があったのかな、もしかしたら少し余裕がないのかな、と思っていました。

けれど、初日のあの場に立っていた彼の佇まいは本当に凛としていて、これまで見てきた姿のどれとも違っていて、なんだか応援している方までも誇らしい気持ちになれるような気がしました。『自分が応援してきた人はこんなにカッコいいんだよ、こんなに素敵なんだよ』と思わせてくれるような姿でそこに立っていました。きっと初日だけではなくて、これからその姿を見る人にそう思わせてくれるんだろうなというような姿で。

とまあ長々と書いたのですが、とにもかくにもかおるくん初日そして二日目本当にお疲れさまでした!!たくさん直さなくちゃいけないところもあるだろうし、もっともっと良くなるであろうところもあるだろうけれど、あの姿を目に焼き付けられたことは本当に誇らしいです。千秋楽までケガなく、最後の瞬間まであの役を演じきれますよう!